スピーチ原稿

第33回全日本中国語スピーチコンテスト東京大会において、本科2年の森田麻友美同学が優秀賞を受賞しました。そのスピーチ原稿を紹介します。

森田 麻友美

  这天酷热,我逛了北京的前门大街上的好多商店后,为了回宿舍,坐上了双层公共汽车。只不过问师傅这趟车去不去我的目的地,然后买张车票,这么简单的事儿让我费了好多力气,坐进靠窗户的座位时,我累得叹了一口气。

  到中国留学,这对我来说是第一次,所以什么都不知道,哪儿也不熟,而且我的汉语水平还不太高,做什么都很紧张,很疲劳。比如说,我进商店的时候,服务员对我说些什么话,我听不懂他说什么,我十分尴尬,心里很不好受。有一次,老师告诉我中国的商店可以讲价,所以我在商店里尝试了讨价还价。不过,我还是听不懂服务员说的话。我没发讲价,死了那条心,只好按服务员说的有点儿昂贵的价格买了一个小小的纪念品。我觉得,听不懂对方说的内容,令人非常着急;同时自己想说的话不能让对方了解,也令人感到十分遗憾。这就是一种不愉快的感觉,这种感觉会增加我的疲惫感。

笑顔

  这天我只买了一个很大的布制玩偶。去收款台交钱时,服务员问我要不要袋子,我本想要一个袋子,但是说不出话来。服务员也许等不及我回答就开始对待了下一个顾客,最后我没能得到袋子,不得不把那个玩偶抱在怀里走了。在炎热的天气下,一个成年人抱着玩偶,引起了过路人的注意,甚至有些小孩儿指着我大声喊“有个阿姨抱着布制玩偶!“不知为什么这样讽刺的、批评的话能听懂,我真不好意思,低着头匆匆地走去。

  布制玩偶的大小有公共汽车的座位那么大,所以我把它放在旁边的座位上。我累得有点儿发呆,痴痴地看了外面的景色,这时,从对面开过来了一辆公共汽车,停在了我坐的公共汽车旁边。忽然我的视线和那辆公共汽车的司机先生的视线碰在一起了。我对他微微地笑了,他也对我微笑了。我还借用布制玩偶对他挥了挥手。他看见,就嘻嘻地笑起来,然后竖着大拇指对我说“好!“

  这时我才发现,在人和人之间的交流上国籍没有关系。当然语言很有用,但是互相很亲切地笑更重要。那位司机不知道我是日本人,除了他说的一句“好”以外没说什么话,但是我和他的两张笑脸让我们能够沟通,感到很开心。忽然我发现了一个比语言更重要的东西,这就是在交流上怎样对待人,给人表示什么表情非常的重要。以友好的态度对待人对方也就同样对待你,接受你。此前是不是由于听不懂我给人看的表情很阴郁。这时,因不懂汉语而感到的疲劳一下子都消失了。

笑顔(日本語要約)

 ある暑い日、私はため息が出るほど疲れてバスに乗っていた。私にとっては初めての中国に留学で訪れ、何もわからない。中国語のレベルもまだまだで、聞き取れないし通じない、この、あまり面白くない感情は私の疲労感を増長させているようだった。

 この日、私は大きなぬいぐるみを一つ買った。店員に袋は要るかと聞かれたが、要りますという言葉が出ず、結局、袋をもらうことができず、仕方なくぬいぐるみを抱えて帰ることにした。炎天下の日に、いい大人がぬいぐるみを抱えているのは道行く人の注意を引き、小さい子供には大声で「あのひとぬいぐるみ持ってる!」と叫ばれた。なぜだか、そういった聞きたくない言葉は全部耳に入って来て、私はとても恥ずかしくなり足早に歩いた。

 ぬいぐるみはバスの座席と同じくらい大きく、私はバスの自分の隣の座席に置き、疲れてぼんやりと外を眺めていた。その時、向かいのバスが隣に停まった。思いがけず、隣のバスの運転手と目が合い、私は彼に向かってにこっと笑い、隣のぬいぐるみの手を彼に向けて振って見せた。彼はくすくすと笑い、親指をグッと立て「いいね!」と言ってくれた。

 その時、私はやっと気付いた。言語はとても重要だが、お互い親しみをもって笑いあうことはもっと重要だ。運転手は「いいね」という一言以外は何も話さなかった。しかし、私たちの笑顔はお互いに気持ちを通じ合わせるには十分だったし、楽しいという感情を与えてくれた。この出来事で、言語よりも人に対してどのように向き合うか、どんな表情を見せるかがとても重要だという事に気づくことができた。友好的な態度を相手に見せることで、相手も同じように自分に対して友好的になり、受け入れてくれる。これまで話が分からないことで、私は暗い表情をしていたかもしれない。この考えにいたって、中国語が聞き取れないという疲労感はあっという間になくなってしまった。